Japanese
English
症例
機械的胸部食道穿孔の外科的治療
Surgical Treatment of Instrumental Perforation of the Thoracic Esophagus
山口 逸郞
1
,
岡山 義一
2
,
大平 光夫
2
Itsuro YAMAGUCHI
1
,
Giichi OKAYAMA
2
,
Mitsuo OHIRA
2
1東北大学医学部桂外科教室
2東北大学医学部
1Depaftment of Katsura's Surgical Clinic, Tohoku University
pp.1043-1045
発行日 1957年12月20日
Published Date 1957/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202100
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近時,食道及び胃に対する経口的内視法の発達は目覚しく,之が病変の早期発見,治療の面で果して居る役割は軽視出来ないが,方法には熟練と細心の注意に依つても避け得ない穿孔の危険が伴つて居り1),その普及と共に機械的食道穿孔の危険は益々増大するものと考えられる.一方,胸腔内食道穿孔は予後不良のものとされて居たが,1943年,Overholt2)が始めて開胸に依る穿孔部閉鎖に成功してから,欧米にあつては早期診断,早期治療に依る優秀な成績が次々に報じられて居る3)4).然るに本邦に於ては,胸部食道穿孔に依る膿胸の治験例は寔に寥々たるもので5),一般には未だ化学療法にのみ依存して居る段階を出ない様に思われる.我々は最近,穿孔後1週間を経過し,左側膿胸を併発した症例を,穿孔部の一次的縫合と胸腔内ドレーン存置に依り治癒せしめ得たので,この機会に他の症例と併せて報告し,診断,治療の面から考察を加える.
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