Japanese
English
症例
左踵骨慢性骨髄炎性瘻孔瘢痕部に発生した皮膚癌の1例について
A Case of Skin Cancer happened on Osteomyclitis Fistula of left Careaneus
糸原 公
1
,
野崎 成典
1
,
益満 義躬
1
Nozaki shiganori
1
1札幌医科大学外科学教室
1Department of surgery Sapporo Medical Callege
pp.827-829
発行日 1957年10月20日
Published Date 1957/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202065
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緒言
外的刺戟が癌腫発生に大きな役割りを演ずることについてはVirchowの提唱以来一般に認められているが,とくに皮膚癌はその発生において前駆疾患とのあいだにきわめて密接な関係のあるものである.
1889年Volkmannが本癌腫の223例について精細な報告をおこなつて以来,潰瘍,瘢痕,瘻孔,レ線照射,慢性化学的刺戟等の持続的な刺戟がしばしば皮膚癌発生にきわめて重要な要因であることが一般に信じられている.われわれは踵骨カリエスと診断され,治癒しがたい瘻孔をのこし,約8年間にわたり種々なる治療をうけて一旦治癒し,その後ほとんど無症状に経過した該部位に,ふたゝび潰瘍を発生し,ついに皮膚癌にまで進展した1例を経験したので報告する.
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