症例
壊疽胆嚢の自然脱落排出の1症例
宮崎 五郞
1
,
松本 和夫
1
Goro MIYAZAKI
1
,
Kazuo MATSUMOTO
1
1社会保険三島病院外科
1Clinic of Surgery, Mishima Hospital.
pp.567-569
発行日 1956年8月20日
Published Date 1956/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201843
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緒言
胆石症を主体とする胆道系疾患は少くとも患者の居る静岡県東部に於てはかなり頻度の高い疾患の一つである様に思われる.然しそれらが観血的に取扱われる事は寧ろ少く,多くの場合には単なる鎮痛剤投与か,或は高々抗生物質投与に依つて随伴せる胆道系の炎症を一時的に抑えておく治療が多く行われていると云う臆測は著者が最近経験した連続78例の胆道系疾患者の施術を受ける迄の期間,その間に行われた治療更に総胆管結石嵌頓症例の多い事等より充分に正当づけられると信ずる.此処に報告せんとする症例は急性壊疽性胆嚢炎より横隔膜下膿瘍を発来し,その膿瘍切開孔より壊疽胆嚢が自然に排出されて幸いに全治退院した一例である.
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