Japanese
English
綜説
持続的脳室ドレナージの効用
Benefits of the Continuous Ventricular Drainage
桂 重次
1
,
鈴木 二郞
1
Shigetsugu KATSURA
1
,
Jiro SUZUKI
1
1東北大学桂外科
1Katsura Surgical Clinic, School of Medicine, Tohoku University
pp.135-139
発行日 1956年3月20日
Published Date 1956/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201774
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緒 言
一昨年暮より脳圧の研究の一助として脳手術後側脳室前角,或いは後角に2.5mm径のポリエチレン管を挿入し(第1図),術後の脳圧の消長を観察したが,この方法が術後の高脳圧に対する処置という意味ばかりか,その他の点に於ても数多くの利点を有する事が次第に判つて来たので紹介して見たい.
持続的脳室ドレナージ法の歴史は古く,1876年Lister1)が脳水腫の治療法としてこれを奨め,革命的療法と迄喧伝され,続いて1881年Wernicke,1886年Keenもこれを推奨しているが,1891年Keen2)はこの方法を行つて失敗した例を報告している.次いで1900年頃迄Pott3),Robson,Franke,Broca4),Wyes,Hahn,Dujan,Kocher,Power5),McCosk,Trinkler6)等も行つて大部分が失敗している.今世紀に入つてからは,脳手術後の高脳圧の処置としても行なわれる様になり,Werden7),Schmidt8)Ingraham9),Craw—ford10),Poppen11),F.Robinson12),Bering13),荒木14)等が夫々の器具,方法を用いて行なつて,その効果を謳つている.
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