Japanese
English
症例
收縮性心嚢炎の1手術例とその剖検例
A Case of Constrictive Pericarditis
松田 和雄
1
,
黑田 尊明
1
,
小河 博之
1
,
戶川 智
2
,
酒井 晃
2
,
矢部 忠孝
2
Kazuo MATSUDA
1
,
Satoru TOGAWA
2
1岡山市榊原十全病院
2岡山大学医学部妹尾病理
1SAKAKIBARA JUZEN Hospital, OKAYAMA
2Faculty of Pathology, OKAYAMA University, School of Medicine
pp.255-260
発行日 1955年4月20日
Published Date 1955/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201599
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最近心臓外科の発達に伴い,難治とされた收縮性心嚢炎に対して外科的療法が加えられるに及び,その治療効果が期待されるに至つた.即ち,收縮性心嚢炎とは,Moschcowitz1)によれば,心嚢の内外二層が全面的に癒着肥厚して心臓の正常な機能の或る部分,特に拡張期の充盈を妨げる場合を云う.更に心臓の長軸が時針或いは反時針方向に捻転する事,及び還流静脈が圧迫される事が作用して,心不全の形成,搏出量の減少を来すのである.
主なる臨床所見としては,動脈血圧の低下,静脈血圧の上昇,心搏動の不整減弱,脈圧の減少,更に進んで,下肢の浮腫,肝の腫大,腹水を生じ,Pick氏心膜炎性偽性肝硬変症を呈して来るものである.
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