Japanese
English
綜説
胆嚢炎とアレルギー
Cholecystitis and allergy
石橋 幸雄
1
,
澁谷 勳
1
,
田上 尚弘
1
Sachio ISHIBASHI
1
1Department of Surgery, University of Tokyo Medical School
pp.728-736
発行日 1954年10月20日
Published Date 1954/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201527
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いとぐち
嘗つてKrukenberg(1902)1)が胆石様疝痛は石がなくても起ることを初めて明らかにして以来,胆道のヂスキネジー(Gallengangsdyskinesie,biliary dyskinesia)は一般の注目を惹く所となり,過去20年間にその病像に関してはWestphal2),Chiray-Pavel3),Boyden4),Talman5),Ivy6)を初め多数の学者の研究があり,可なりはつきりして来たが,その本態に関しては未だ定説がない.所謂ジスキネジーはOddi氏括約筋のhypertony,胆嚢のhypotony又はatonyの結果,胆汁がうつ滞する現象であると解釈されているが,此の様な状態は実験的にmorphin,Codein等の鎮痛剤投与,或いは総胆管に弱塩酸を灌流(Long7),Shingleton8))しても起つて来る.又消化管の機械的刺戟例えば盲腸に電気を通じても(Birch,Boyden9)),結腸を水で充盈させても(Ooldman,Ivy10))Oddi氏筋を通過する胆汁は減少或いは全く停止する.
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