ナースの作文
我が希望,他
近藤 末子
1
1国立富士療養所
pp.36-40
発行日 1959年2月15日
Published Date 1959/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910792
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薄もやも晴れ始めた8時半つきさすようなサイレンの音に……上井出国富療の深い静寂の中で私達はあわただしく1日の活動に入る。もちろん晴れた日も,また低く黒雲に覆われ霧雨が烟る日も……。
私達ナースは1日のほとんどを午前中にかけます。どのナースの顔を見ても柔和の中にも緊張した面持ちをしています。割り当つた仕事の分担も,その日その日によつてうまくできたりできなかつたりまして准看である自分はひどく劣等感を覚え毎日の勤務も心から疲れる思いです。このような悲しさは一部准看,いや,おおよそ看護婦である人みんなが経験しているかも知れません。こんな深い心の悩みを療養所をとりまく広い自然の環境がいつも力づけてくれるのです。
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