Japanese
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綜説
農村における所謂そら手(腱,腱鞘炎)の研究—第1報 1農村における本症の頻度
Study on so-called "Sorade"(Tendonitis, Tendovaginitis of Finger and Hand) in Village Report I. Frequency of this diease in a Village
福島 高文
1
,
熱梅 德夫
1
,
田中 正一
1
,
一戶 忠
1
,
井上 紀二
1
Takafumi FUKUSHIMA
1
,
Tokuo ATUMI
1
,
Shoichi TANAKA
1
,
Tadashi ICHINOHE
1
,
Noriji INOUE
1
1弘前大学医学部槇外科教室
1Surgical Clnic of Prof. T. Maki, Faculity Medicine, Hirosaki University
pp.179-181
発行日 1954年4月20日
Published Date 1954/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201402
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従来手,指に於ける非伝染性腱鞘炎は掃除婦,洗濯婦,タイピスト,ピアニスト,大工等に多くみられ1)2)3),或は單に手や指の過労,其の他慢性の外傷等に依つて誘発されると記載されて居る5)6)然し本症の範疇に属すべき疾患が「そら手」,「その手」,或は「そり手」等と呼称され,東北地方の農村,殊に水田耕作者の間に罹患者が相当の頻度に及ぶことが伝えられている.
本症は手,指の伸筋腱に一致して圧痛,瀰漫性の腫脹を来し,その運動に際しては激痛を伴い,時に著明な軋轢音をきき,或は水腫を伴うものもある.高度になれば手,指の運動障碍により箸,茶腕等の把持も困難となり,急性期には発赤,局所熱感を伴う者もある.これ等の愁訴は安静により比較的短時日に快方に向うが,反復罹患せる者では該腱鞘の慢性肥厚を伴うことも少くない.
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