最近の外國外科
小兒の急性虫垂炎,他
J. Montgomery Deaver
pp.202-203
発行日 1953年4月20日
Published Date 1953/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201227
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(Ann. Surg. 136:243, 1952)
Mary J. Drexel Hospitalに於ける小兒虫垂炎777例(1930〜1951)に就て死亡率を観察した.
死亡は非穿孔例には1例もないが,穿孔例に於ては,次の如くである.
(I)1930〜1932(16.3%),(II)1933〜1936(6.5%)
(III)1937〜1944(3.78%),(IV)1945〜1951(5.5%)
(I)は電解質溶液療法がよく理解されなかつた時代で,(II)は非経腸的に液体の投與がしばしば用いられ,凡ての腹膜炎に腸の空虚がはかられMcBurney切開の使用が増加した時代であつて,此等の諸因子はもつとも顯著に死亡率は減少させたと思われる.(III)は化学療法剤とくにSulfanilamideが用いられた時代,(IV)は抗生物質時代(Penicillin等)を表わして居る.又麻醉の改善,抗生物質は,呼吸器系の合併症や,創の感染,ドレナージの使用等を減じ罹病率を低下させたと思われる.
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