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先天股脱に対するColonna手術の経驗
丸毛 英二
1
,
石山 敏夫
1
1慈恵医大整形
pp.721-723
発行日 1953年12月20日
Published Date 1953/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201342
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先天股脱に於て臼蓋形成不全のため所謂亞脱臼障碍を有するもの,或は再脱臼を起す様な症例に対し從来臼蓋形成術が行われて来た.Max Laugeに依れば数十年間に行つた多くの臼蓋形成術中僅か2例の失敗をみたのみであるといつている.
然し最近其他の報告ではこの手術で常に必ずしも満足すべき結果が得られるとも限らない.Bi—ckel, Andersonの報告に依れば80例の臼蓋形成術中27.5%の失敗をみたと云い,Niessen-Lieは57例中20例に移植骨の吸收を見,唯27%のみ成功したといつている.不成功の理由としては移植骨の吸收,関節の硬直等が挙げられている.前述のMax Laugeの2例の失敗は何れも移植骨の吸收によるものであるが1例は髀臼の中へ余りに深く入つた所に移植したものであり,他の1例は余りに高い所へ移植したものである所から,氏は移植骨の吸收は髀臼の中へ深く入りすぎても又高すぎても吸收の原因になるといつている.一方Bran—des, Pauwels Zahradnicek, Bernbeck等は旧蓋形成不全の主なる理由は骨頭のアンテトルヂオンや股外反に依るものであるとして臼蓋形成術を行わないで大腿近位端の截骨術を行うことを薦めている.彼等に依ると大腿近位端の截骨術に依り関節の状態が良くなると骨膜性髀臼蓋附加に依り髀臼部に骨性強化が起るという.
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