最近の外國外科
血栓及び塞栓症の予防法,他
L. Loewe et al.
pp.187-189
発行日 1952年4月20日
Published Date 1952/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201009
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著者たちは内科患者,外科患者何れを問わず血栓及び塞栓症の頻発を広汎な予防法の採用によつて防ぐことを必要と考えている.そして手術前外科患者には次の処置を原則的に施すべきであるとしている.即ち(1)身体肥満がある場合には体重を減ずるようにする.(2)外部から見得る静脈瘤が存在するときはその手当をする.(3)心臓に異常の有無を内科的に檢査し且つ処置する.(4)貧血にも治療を加える.(5)含水炭素及びビタミンを豊富に含む食餌を攝取させる.又術後の処置としては,(1)早期離床 (2)病床上の脚体操励行 (3)腓腸部静瘤脈の圧迫を避ける (4)脚に静脈瘤のあるものには彈力性靴下を穿せる (5)血液擬固防止剤を使用する.これ等の中で著者たちは徐々に吸牧されるヘパリン剤を使用することが最も適当としている.その理由は投與法が簡單で,作用が迅速且つ作用期間が長い.又藥物用量の安全性の範囲も広い.その上研究室的諸檢査の必要も比較的少いからである.この血液擬固防止剤によつて出血性傾向が強化される患者及び長期間病床に臥して離床出来ず血栓塞栓症を惹起する危險のある者にのみ予防的の靜脈結紮法を施すことが認められる.術後の予防的処置を実施すべき患者は次の様なものである.
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