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最近のアメリカ便り
卜部 美代志
pp.344
発行日 1951年7月20日
Published Date 1951/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200858
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その後全く御無沙汰いたしました.あまり通信しなかつたのでどうしたのかと心配してくれている方々もある由噂をきいて恐縮している次第です.度々雜誌や通信をいたゞきその度に大変なつかしく拜見しました.New Yorkを3月に去つてPhiladelphiaを中心とする約3カ月間に亘る勉学は内容もあつて愉快なものでした.その間Baltimore(Johns-Hopkins大学)も訪れたり,休日を利用して,Washingtonに赤毛布をきめこんだりしたことでした.6月初めからはBostonに移つています.ここで2-3カ月を過す予定です.新緑のBostonは何とも云われない風情です.Harvard医学校にそう遠くない素人下宿に泊つています.学校の紹介によつたのですが,曾て厚生省の小谷氏や高部氏が代を重ねていたところの由,氏等がきいたら恐らくなつかしく思い出されることでしよう.アメリカの医者の間にも"Boston is wonderful place"というのが通り言葉になつている程で殊に外科医にとつてはまことにWonderful placeであります.Overholt,Sweet,Gross等夫々の分野の第一線の外科医がその学識と技を競つている状態です.この大家連の手術は夫々Deaconess Hosp. Mass General Hosp. Children Hosp.(Harvard大学)等でみられます.
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