Japanese
English
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グロームス腫瘍について
Upon Glomus Tumor
吉田 信夫
1
,
柴 拓
1
Nobuo YOSHIDA
1
,
Hiroshi SHIBA
1
1東北大學醫學部桂外科教室
1Surgical Dept. of Tohoku Univ.
pp.310-312
発行日 1951年7月20日
Published Date 1951/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200845
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1.意義
良性腫瘍の手術適應は色々挙げられているが,それ自体疼痛という主訴を持つならば,最も良き手術対照である.これから述べんとするグロームス腫瘍はこの意味で外科的にも興味ある疾患である.一体グロームスとは,顯微鏡下に認められる微小の動靜脈吻合で,手足の爪床,指趾末端部皮下等に存し,形態学的にも機能的にも特殊なものと解されている..第1図の示す如く,皮下に於て終末動脈が毛細管に移行する前で,細い動脈を出し枝吻合血管を形成し靜脈に移行して行く.この血管は一層の内被層があり,その中膜層に相当する厚い所にばグロームス細胞があり,更にその外周には豊富な神経網が糸卷のように取卷いている.グロームス細胞ば平滑筋細胞の変態したものであるといわれるが,神経の作用と協調して恰も心臟の樣に内腔を挾くしたり広くしたりして,血流及び体温調節作用に與るものとされている.
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