Japanese
English
今月の小外科・15
老年者に見られる病的骨折
Pathological Fracture Seen in Old Person
渡邊 正毅
1
Masaki WATANABE
1
1東京遞信病院整形外科
1Department of Orthopedy of Tokyo Teishin-Hospital
pp.283-284
発行日 1951年6月20日
Published Date 1951/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200838
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- Abstract 文献概要
老年者に起る病的骨折は癌の骨轉移による場合が最も多く,その他骨髄腫,所謂副腎腫轉移によることもあり,主として脊椎・肋骨・大腿骨などにみられる.老年者に好発する骨系統疾患としては変形性骨炎(Paget病)があるが,これは病的骨折に関しては問題とする程のものではなく,また日本ではまれな疾患とされている.老年性骨粗鬆も異常に著しい場合には病的と認め,これにもとずく骨折は病的骨折と考えたいが,実際にはその判定が困難のことが多い.進行性麻痺・脊髄癆などで異常に粗鬆となつた骨に骨折が起れば病的骨折と認めることが出来,且これら原疾患は40歳以後に多いものである.
しかしこれはまれの事に属する.こゝでは癌および副腎腫の骨轉移および骨髄腫による病的骨折について述べる.
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