Japanese
English
移植・成形・2
血管移植術
Transplantation of Blood Vessels
木本 誠二
1
Seiji KIMOTO
1
1東京大學福田外科
1Tokyo University, Surgical Clinic
pp.51-57
発行日 1951年2月20日
Published Date 1951/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200761
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血管外科に関する研究が非常に古い問題であると同時に最近再び注目されている新しい問題であることは本誌前月号に述べた通りであり,これは單に理論的な学問的興味を超えて日常の実地臨床に必要な操作となつて来ている結果である.今回標題の件に関し総括的記述を依頼されたのを機会に,先ずその前提となる血管縫合に就て前月号に今日までの状況を記述したのであるが,引続き主題の血管移植に就て考察して見ようと思う.
血管移植の中には,自家移植,同種移植,異種移植,貯藏血管移植,死滅血管移植,異物乃至代用血管移植などが含まれているが,現在特に問題となつているのは同種移植,殊に同種貯藏血管移植であり,順次にこれらに就て文献を参照しながら吾々の目下檢索しつゝある成績の一部も加えて総括記述する積りである.なお広い意味では動脈を切断してその中枢端を同じく切断した靜脈の末梢端と吻合する交叉吻合(脱疽に対するWieting氏手術など)や,門脈を切断してその末梢端を下大靜脈に吻合するEck氏瘻孔なども含まれる訳であるが,本稿にはそうした單端移植には触れないで,專ら両端移植に就て考えて見よう.又血管移植には当然これを利用する臟器移植が絡んでくるのであるが,紙数の関係でこれも別の機会に譲ることゝする.
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