Japanese
English
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「骨の銀行」並に同種保存骨移植に於ける移植片の組織特異性の脱却に就て
The bone bank and extinotion of bioohemieal peculiarity in the homogenous bone graft at the preserved bone transplantation.
河村 謙二
1
Kenji KAWAMURA
1
1京都府立醫科大學第二外科教室
1Second Surgery of Kyoto Furitsu Medical College.
pp.525-528
発行日 1950年11月20日
Published Date 1950/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200716
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I 骨の保存と骨の銀行
骨移植を行おうとする時,一々患者から骨片を採取しようとすると,その患者に何処か苦痛を與え,又充分都合のよい骨を採る事も難しい場合もある. 又患者は骨を採る事と移植する事との二種の手術を必要とするので二重の苦痛を味わせる許りでなく,手術が重くなり,感染の危險も多くなつて来る. そこで,予め別な骨片を採つて用意しておいて,それを入用の時取出して移植の役に立てる爲に不用な骨のあつた時それを採つて保存しておく. そしてこの保存しておいた骨を移植する. この樣な骨移植を私は「保存骨移植法」と命名(1941)したのであるが,同じ事が此度アメリカで行われている事が最近発表され. (Bush:J. B. & J. Surg. Vol. 29(626)1947).
この方法で移植する骨を保存しておく「骨の銀行」必要性がと唱えられ,その活用が著目される樣になつた. この「骨の銀行」と云う云い表わし方はニユーヨーク整形外科病院のWilliam H. Von Lackumが始めて唱えたものであるが,これは取りも直さず,保存骨の事でそれを一般的に手術者に利用させようと云う意図のもとに判り易く名付けたものに他ならない.
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