Japanese
English
特集 蛋白問題・1
手術的侵襲と蛋白代謝
Operation and Protein-metabolism
高山 坦三
1
Tanzo TAKAYAMA
1
1北海道大學第2外科學教室
1Hokkaido Univ.
pp.352-357
発行日 1950年7月20日
Published Date 1950/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200671
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生体内における蛋白代謝が二元論的にいとなまれているものであることについては,いまでは異論の余地はない. Voitはこの代謝をいとなむ蛋白を臟器蛋白と循環蛋白とにわけたがその後,Folinが外因性蛋白代謝と名ずけたところの,攝取食物中の蛋白に主として関與する代謝と,内因性蛋白代謝と名ずけたところの,前者と直接の関係なしにおこなわれる蛋白代謝との2種の代謝が嚴密にかつ判然と区別さるべきものであることが明らかになつた. しかして外因性代謝は,食物中の蛋白の分解によるところのもので,主としてエネルギー代謝に関係するものであり,これに反し内因性代謝は,一名組織物質代謝ともいわれるもので,エネルギー代謝とは直接の関係はなく,生活機能維持に必要なアミノ酸を供給することが主なる仕事であると考えられている.
循環蛋白はまた一名貯藏蛋白ともいわれるがこれに対 し細胞内に包入された蛋白("Zelleinschlusseiweiss") であつて,しかも臟器蛋白でないところの貯藏蛋白の あることが,SeitzおよびBöhnによつて明らかにさ れた.
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