Japanese
English
結核
腦脊髄結核腫
Tuberculoma of the Brain and the Spinal Cord
淺野 芳登
1
Yoshinori ASANO
1
1京都大學醫學部外科學教室第一講座
1Medical School Kyoto Univ.
pp.32-40
発行日 1950年1月20日
Published Date 1950/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200581
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中枢神経系の結核性疾患のうち,脳,神経外科領域の治療対象となるものは,限局性に肉芽性腫瘤を形成する所の所謂結核腫だけであるといえよう. これが脳や脊髄に発生して症状を現す場合は,臨床的には全く眞性腫瘍の像を呈する. 從つて結核腫は梅毒腫などと共に眞性腫瘍に準する扱いをされている. 結核腫そのものは決して惡性のものではないが,これに対する治療成績は非常に惡く,結核腫と言えば先づ絶望とされている位である. これが石灰化し或は瘢痕化して自然的治癒を営むことはその報告例がないこともないが,しかしこれは非常に稀なことと言つてよい. これが現在に於ける中枢神経系の結核腫に対する一般の考え方であろう.
茲では今迄我々の教室で取扱つた脳結核腫の臨床経驗に重点を置いて述べることとする.
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