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結核腎摘出と結核性腦膜炎
山際 義秀
1
1北海道大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.337-341
発行日 1949年8月1日
Published Date 1949/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200228
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緒言
腎結核に併發する結核性腦膜炎の中で專ら我々の對象となるのは腎摘出後に發生するものであるが,從來之に關する記述は泌尿性器結核の統計的論文の中に簡單にとりあげられている程度で立入つて考察した記述は見當らない.例えばBlum,Müller, Fedoroff,Rafin,Talman,高橋,阿久津等は單に男の方に多い事を述べているに過ぎず,又Israel,Wildbolz,Runneberg,Schmidt,Turner志賀等の記載は比較的詳細に亘つてはいるが,何か隔靴掻痒の感を抱かしめるものがある.
そこで余は今回當教室開設の大正14年2月以來昭和23年3月に至る24年2ヵ月間に入院した腎結核例で腎摘出を行い引續き在院中に結核性腦膜炎を起したもの20例を拾いあげて色々の觀點から出來る丈詳細に考察してみた.因みにこの20例の中には急性粟粒結核の部分的症状として見られる腦膜炎例は勿論含まれていないし,又出來る丈正確を期する爲に退院後に結核性腦膜炎(疑わしい例もあり得る)を起した例は含まれていない.
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