Japanese
English
外科と病理
剖檢により始めて診斷された細網肉腫轉移症
Metastatic Tumor of the Reticulosarcoma, in autopsy
工藤 達之
1
Tatsuyuki KUDO
1
1慶應義塾大學醫學部外科學教室
1Medical Dept. Keio Gijiku, Univ.
pp.547-548
発行日 1949年10月20日
Published Date 1949/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200547
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- Abstract 文献概要
病氣の診断は一度誤つた方向に向つてしまうとなかなか正しい軌道に復し難いものである. 殊に檢査成績を信頼している場合,成績が誤つていると,一抹の疑念を抱きながらもしらずしらず強い力で迷路に引込まれてしまう. 又症状が各科の領域に跨つて出現すると,各科の医師はそれぞれの立場から患者を診察することになるが,主治医に敬意を表する一方何か責任の軽い気持も手つだつて突込みが不足し,いつの間にか船が山に登つてしまうことがなきにしもあらずである. そんな症例の剖檢に立会つて後悔と落胆の気持を味つた経驗は必ずしも筆者一人のものではないと想像する.
この報告は本学病院の小兒科に入院した5歳1月の女兒の病歴である. 診療には眼科,耳鼻科,整形外科,外科,檢査には病理学教室,細菌学教室が関與している.
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