Japanese
English
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全内臟轉位症の胃癌手術例
A Case of a operated gustric Cancer patient with situs inversus generalisata.
音田 周一
1
,
池田 正三
1
,
上村 治
1
Onda Shūichi
1
,
Ikeda Shōzo
1
,
Uemura Osamu
1
1米子醫學專門學校第一外科
pp.171-172
発行日 1949年4月20日
Published Date 1949/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200442
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緒言
内臟轉位症は比較的稀有にして,紀元前四世紀アリストテレスの動物に於ける記載を以て嚆矢とし,其の後比較的多數の外國文獻を得たり。本邦に於ては明治22年臨床診斷例を報告せしより漸次症例は増加し,殊に諸種理學的就中レ線的診斷法の發達と共に其の發見も容易となりたり。
安藤氏は昭和12年末迄の本邦報告例425例を謂査し,種々なる方面より統計的觀察を行いたり。同氏に依れば内臟轉位症の頻度は約0.2%即ち5000人に1人と云う發見率を妥當とし,而して之が他の疾患との偶發せるは更らに稀にして偶發症としては,胸部疾患殊に肺結核及び蟲垂炎を最も多しと云へり。而して之が惡性腫瘍の偶發例に關しては,昭和2年前川氏・昭和4年大島氏の胃癌各1例を,昭和10年大園氏が直腸癌の1例を理學的診斷例として報告す。昭和17年野見山氏は全内臟轉位の兼發せる胃癌症を診斷し手術せる1例を報告したり。
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