Japanese
English
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精神外科の現況
A Review on Psychosurgery in Japan
中川 秀三
1
Shūzo Nakagawa
1
1北大醫學部精神經學教室
pp.80-84
発行日 1949年3月20日
Published Date 1949/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200420
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1. 緒論
精神外科は現今日本の精神神經學會及び外科學會の寵兒的テーマである。
この新治療法は云う迄もなく,リスボン大學教授Egas Monizによつて1935年創始せられた前頭腦白質切開療法frontale Leukotomieで,兩側前頭腦の白質を切開する事によつて精神病の治療を目的とした爲に,精神外科Psycho-chirurgie(Nervenarzt 10,1937)とも言はれている。Dandy等が1920年代に始めた前頭腦切除法frontallobectomyと適用目的を異にして創始された。この精神外科は歐洲にも追試者があつたが獨乙には餘り受入れられず,從つて當時獨乙醫學の流れをくむ日本でも無視されていた。1937年,ワシントン大學教授Walter Freeman及同學助教授JamesWattsが之を米國に輸入し,方法も改善してから前頭腦切開療法frontal lobotomyとして非常に普及し米國のみでなく世界各地で行はれるに至つた。これは原法を簡易化し切開效果を大ならしめたからである。現在,世界で行はれているのは,大體フリーマン・ワッツ法か又はその變法である。
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