Japanese
English
--------------------
蛔蟲性盲腸軸捻轉症の1例
A case of the volvulus of te caecum due to a group of te round worms
日下 邦夫
1
Kusaka Kunio
1
1仙臺鐶道病院外科
pp.179-181
発行日 1949年4月20日
Published Date 1949/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200445
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒論
大腸軸捻轉の中,我々外科醫が屡々遭遇するのはS字状結腸軸捻轉であつて,盲腸は後腹壁に固定されている關係上捻轉することは比較的稀である。盲腸軸捻轉症に關しては1898年にZoegevon Manteuffel1)が文獻例20例自驗例4例について綜合的考察を行つて以來,Faltin2),Bund—schuh3),Beeger4)及びKunz5)等に依つて詳細な研究が公にせられ,本邦に於ては牧野6)が大正6年本症の1例を報告して後,武藤7),戸田8)及びその他の諸家の報告があるが,例數は僅少である。他方蛔蟲による腸捻轉症は1914年に,Schl—ossmann9)の報告を始めとして數例を數えるがことごとく小腸に於ける捻轉であつて,盲腸に發生した蛔蟲性腸捻轉症は殆んど記載がないようである。余は最近穿孔性蟲垂炎兼汎発性腹膜炎の臨床診斷で開復し,(手術の結果蛔蟲性盲腸●捻轉症と判明した1例を體驗したので報告する。
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.