特集 蛔蟲
外科的蛔蟲症に就て
大槻 菊男
1
1東京大學
pp.44
発行日 1948年2月20日
Published Date 1948/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200284
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蛔蟲が腸の寄生蟲として消化器障碍や神經系の中毒症状を起すことは甚だ多い。この所謂蛔蟲症は内科,小兒科領域に屬するのであるが,外科領域に於ても,重大な役目を演じてることは周知のことである。
外科殊に内臟外科に於て手術前準備として,檢血,檢便によつよ蛔蟲の存否をたしかめ,その陽性の場合には必ず之を驅逐して,手術後身體の變調衰弱に乘じて蛔蟲がその威を逞しうするために起る諸種の障碍を未然に防ぎ,患者の苦痛を除き,その豫後を良好にすることをつとむべきであることは,外科醫の常識である。
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