原著 最近における寄生蟲の諸問題・1
學術研究會議傳染性疾患研究特別委員會寄生蟲科會報告
驅蟲藥に對する蛔蟲の習慣性に就て
生田 啓吉
1
1岡山醫科大學藥理學教室
pp.316-318
発行日 1949年4月25日
Published Date 1949/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200448
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
實驗者はRescorcin系統の藥物に對し蛔蟲が耐性を獲得するのではないかを疑い,今囘次の樣な實驗を行つてみた。
被檢者(9〜30歳)をA,B及びCの3群に分け,A群にはOctylchlororesorcinol(本藥物の效力に就ては前報で述べた)0.5gを夕食前2時間2日間隔で2囘與へ10日後基準量(13歳以上1.0g,8〜12歳0.8g)を朝食2時間前に投與した。B群は0.2gを毎夕食2時間前5日間つゞけて與えた後10日後同上の基準量を同樣に服藥させ,C群は對照で前處置投藥を行わず基準量のみを同一條件で與えた。服藥は嚴重に實驗者の手で毎囘個人別に行つた事は勿論である。この樣に服藥させた被檢者の實驗前,基準量投與前,同2週間後Stoll氏法で檢した蛔蟲卵數(糞便1g中の卵數の總和)は次の樣でA,B兩群とも意外にも減少は全然認められず却つて服藥後増加の結果を示した。又兩群とも卵消失者は全くない。
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.