臨牀例
重複腸管その他高度の興味ある先天性畸形を併有せる症例
赤澤 喜三郞
1
1順天堂醫科大學外科教室
pp.33-36
発行日 1948年1月20日
Published Date 1948/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200282
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緒言
先天性障碍を考察する際には,畸形が1つあれば,その他にも尚幾つかの畸形を併有する傾向がある事實を忘れてはならない。私は外見上,上肢に畸形を有する10歳の少年に於て蟲垂切除術後,癒着性腸閉塞を惹起したので,更に開腹術を行つたところ,極めて稀有な先天性畸形たる重複腸管及び高度の總腸間膜等を有する事實を知り。且つその後の檢査によつて,更に第1表の如き,極めて稀なる多發性先天性畸形を併有する事が明かとなつた。
斯くも高度の先天性畸形を多數にもつて居り乍ら,併も10歳の今日迄兎も角健康を維持して來た事實は,極めて興味ある事と思はれるので,茲にその概略を報告する。
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