臨牀例
痔核及び脱肛症のX線療法の新工夫
水谷 隆男
1
1河合病院外科
pp.80-83
発行日 1947年9月20日
Published Date 1947/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200249
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緒 論
痔結節は我國の成人で持つて居ない者はないと言はれる程多いもので其本質竝に原因に就ての研究は古くから始められて居るが今尚幾多の未解決な點が殘つてゐる。痔核は痔靜脈の擴張で年齡の進むに從ひ頻發し局所及び全身循環障碍が大に關係する事は確である。
Neumannは60例の屍體より肛門部を剔出して組織學的に檢査し,Linea anorectalisを分界線としてPars analis,Pars rectalisとに分けPars analisの最下端にLinea albaがあり,中間にLinea anoeutaneaがあつて上下に更に小別してゐる。25歳迄の若年者ではPars analisの浮腫が主でLinea anocutanea以下の層に限局して居る。26歳より50歳迄の中年者ではLineaalbaの部分に浮腫性肛門隆起を作りPars analis全體に浮腫が見られる。Linea anocutaneaの上部には屡々靜脈擴張が見られる。50歳以上の高齡者になると全體に帶状の靜脈擴張がありLineaanocutanea及びLinea anorectalis 間に限局して居ると報告してゐる。外痔核の定義は皮下即ち下痔靜脈叢の存在部に發し,外部から認められるもので外括約筋よりも外側で上方はLinea ano—cutaneaに達する。
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