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特集 癌の補助療法アップデート
大腸癌切除可能肝転移に対する周術期化学療法
Perioperative chemotherapy for resectable colorectal cancer liver metastases
金光 幸秀
1
,
志田 大
1
,
塚本 俊輔
1
Yukihide KANEMITSU
1
1国立がん研究センター中央病院大腸外科
pp.690-699
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105079
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【ポイント】
◆大腸癌患者の約20%に認められる肝転移に対する標準治療は肝切除であるが,肝切除後の5年生存率は40~50%程度に留まっており,肝切除後の残肝再発と肺再発の制御が必要である.
◆EORTC40983試験(FOLFOX→肝切除→FOLFOX vs.肝切除→FOLFOX)の結果公表(Lancet 2008)以降は,肝転移を見つけると,その有効性とは別にまず化学療法を行う,あるいは化学療法を行ってから肝切除を考えるという傾向が拡大した.
◆術前化学療法には,①一定の頻度でprogression of diseaseを認める,②毒性のため肝切除後の合併症が増加,③画像上complete remissionになったときは肝転移巣切除が困難,④高いコスト,という大きな問題点がある.
◆大腸癌肝転移切除例に対する補助療法の至適投与法は確立しておらず,肝切除周術期の補助化学療法を正当化するエビデンスは依然としてないのが現状である.
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