Japanese
English
臨床報告
乳頭癌,好酸性細胞型濾胞癌,低分化癌が併存した甲状腺多発癌の1例
A case of synchronous multiple thyroid cancer composed of papillary carcinoma, oncocytic carcinoma and poorly differentiated carcinoma
和久 利彦
1
,
勝部 亮一
1
,
大多和 泰幸
1
,
佐藤 直広
1
,
神原 健
1
,
剱持 雅一
1
Toshihiko WAKU
1
1公立学校共済組合中国中央病院外科
キーワード:
好酸性細胞型濾胞癌
,
低分化癌
,
甲状腺多発癌
Keyword:
好酸性細胞型濾胞癌
,
低分化癌
,
甲状腺多発癌
pp.1333-1337
発行日 2012年10月20日
Published Date 2012/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104274
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要旨
患者は56歳,男性.検診で頸部腫脹を指摘され当院を受診した.甲状腺両葉にそれぞれ5cm以上ある腫瘤を触知し,Tgは1,000ng/ml以上であった.頸部超音波検査では両葉腫瘤ともに不均質な内部エコーを示し,両葉腫瘤の穿刺細胞診では濾胞性腫瘍が疑われた.CT検査では遠隔転移やリンパ節腫大はなく,腫瘤の周囲臓器への浸潤もなかった.甲状腺全摘術+両側頸部中央区域リンパ節郭清を行った.病理組織所見では,両葉に非連続性の大小の腫瘤を認めた.両葉上極には1cm以下の乳頭癌が存在していた.左葉の5cm大の腫瘤は好酸性細胞型濾胞癌であり,右葉の5cm大の腫瘤は低分化癌であった.われわれが調べえた限りでは,乳頭癌,好酸性細胞型濾胞癌,低分化癌が併存した報告例は過去に認められなかった.
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