Japanese
English
臨床報告
結腸間膜穿通をきたしたS状結腸癌の1例
A case of sigmoid colon cancer associated with intramesenteric penetration
加藤 久仁之
1
,
大塚 幸喜
1
,
板橋 哲也
1
,
箱崎 将規
1
,
梅邑 晃
1
,
若林 剛
1
Kuniyuki KATO
1
1岩手医科大学外科学講座
キーワード:
大腸癌
,
大腸穿孔
,
腸管膜穿通
Keyword:
大腸癌
,
大腸穿孔
,
腸管膜穿通
pp.436-439
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104012
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要旨
患者は58歳,女性.腹痛を主訴に近医を受診し,大腸内視鏡検査でS状結腸に2型病変を認め,生検で高分化型管状腺癌と診断された.検査後に腹痛が増強し,注腸検査でS状結腸間膜側に造影剤の漏出を認めたため,大腸穿孔との診断で当科を紹介された.来院時の全身状態は良好であり,CT上も明らかなフリーエアや腹水を認めなかったため待機手術とした.腹腔内汚染は認めず,S状結腸切除術を施行した.標本では腫瘍に穿通部位を認めた.経過は良好で,術後12か月が経過した現在,外来通院中である.大腸穿孔は糞便性腹膜炎を伴い重篤な経過をたどることが多いが,自験例のように腸間膜へ穿通する症例は稀であり,腹膜炎を伴わない場合は術後経過は良好と考えられた.
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