Japanese
English
今月の主題 内視鏡医も知っておくべき病理診断リファレンス—下部消化管腫瘍
主題アトラス
大腸:乳頭腺癌・管状腺癌(高分化・中分化)
Colorectal Papillary Adenocarcinoma/Tubular Adenocarcinoma
藤原 美奈子
1
Minako Fujiwara
1
1九州医療センター病理診断科
キーワード:
乳頭状構造
,
管状構造
,
篩状構造
,
胞巣形成
,
腺腫内癌
Keyword:
乳頭状構造
,
管状構造
,
篩状構造
,
胞巣形成
,
腺腫内癌
pp.304-307
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202271
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概念・定義
大腸癌は大腸を原発とした癌腫であり,その多くは大腸粘膜の陰窩上皮から発生した腺癌(adenocarcinoma)である1)2).大腸に発生する悪性上皮性腫瘍の94.6%が腺癌であり,中でも高分化腺癌,中分化腺癌の占める割合は94.4%である2).大腸癌取扱い規約 第9版1)によると,腺癌(adenocarcinoma)は,組織学的に乳頭構造や腺管構造をとるか,粘液産生を示す癌細胞から成る悪性腫瘍と定義されている.また規約によると癌組織の分化度は,腺管形成の程度すなわち構造異型度によって,高分化,中分化,低分化に分類され,癌細胞の細胞異型度は問わない1).乳頭腺癌(papillary adenocarcinoma;pap)・管状腺癌(tubular adenocarcinoma;tub)は,その構造異型度から高分化あるいは中分化腺癌として取り扱われる.
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