特集 外科医のための最新癌薬物療法
Ⅰ章 臓器別薬物療法
9.膵癌―①術前療法
相浦 浩一
1
,
北郷 実
2
,
真杉 洋平
3
,
坂元 亨宇
3
,
北川 雄光
2
Koichi AIURA
1
1川崎市立川崎病院外科
2慶應義塾大学医学部外科
3慶應義塾大学医学部病理学教室
pp.209-217
発行日 2011年10月22日
Published Date 2011/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103807
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術前療法の適応とレジメン選択
術前療法の意義と適応
唯一根治が期待できる手術療法でも手術単独では治療成績に限界があり,集学的治療法が必須である.その一環として術前療法が存在するが,膵癌診療ガイドライン2009年版では,膵癌に対する術前治療の有用性を支持する論文が増加傾向にあるものの,十分な知見は蓄積されていないことから推奨度grade C1(科学的根拠はないが,行うよう勧められる)となっている.近年においても,膵癌術前治療に関する論文は数多く発表されてきているが,無作為化比較試験による十分なエビデンスはまだないのが現状であり,報告ごとにレジメンは異なっていて,また独特なものも多く,いずれも確立されたものではない.
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