特集 外科医のための最新癌薬物療法
Ⅰ章 臓器別薬物療法
7.肝癌―②術後補助療法
和田 浩志
1
,
永野 浩昭
1
,
丸橋 繁
1
,
小林 省吾
1
,
川本 弘一
1
,
江口 英利
1
,
種村 匡弘
1
,
土岐 祐一郎
1
,
森 正樹
1
Hiroaki NAGANO
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学
pp.167-175
発行日 2011年10月22日
Published Date 2011/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103801
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術後補助療法の適応とレジメン選択
肝細胞癌に対する外科的切除は,最も局所制御に優れた治療であるが,肉眼的な根治切除術施行後であっても高率に肝内再発をきたす.肝細胞癌の肝内再発形式は,肝内転移再発と慢性肝炎や肝硬変を背景とする多中心性発癌の2つがあり,術後早期の再発は,主に肝内転移再発が占めると考えられている1).肝細胞癌の長期成績向上には,この肝内再発を抑制する有効な補助療法の開発が必要である2).そこで本稿では,現在までに報告された肝細胞癌に対する術後補助療法として,①補助化学療法,②化学療法以外のその他の治療として,インターフェロン治療,免疫療法,分子標的治療薬などの可能性について概説する.
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