ひとやすみ・73
手術における応用問題
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.823
発行日 2011年6月20日
Published Date 2011/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103601
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某がんセンターで大腸癌を多数執刀してきた外科医が当院に赴任した.そして半年後,彼は当院に対する感想を述べた.「以前勤めていた病院では,外科病棟に入院した患者さんには手術を行うのが当たり前であり,また手術も標準術式で行うのが常でした.しかし,この病院では入院患者さんを前にして手術をすべきか否かを思案しなくてはなりません.さらに,苦渋の判断で手術を選択しても,ではどのような術式をすべきか大いに悩んでしまいます.当院での手術は考えることが多くて非常に面白いです」と述懐した.
地域や医療施設によって,疾患名は同じでも診療内容は大いに異なることがある.がんセンターや大学病院などの急性期疾患に特化した医療施設には,最寄りの医療機関ですでに確定診断を受けた患者さんが紹介され入院する.しかも全身状態が良好な患者さんが多く,極端に進行した癌患者さんや超高齢者が紹介されることは稀である.
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