Japanese
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臨床報告
緊急内視鏡が術前診断に有用であった成人特発性腸重積の1例
A case of adult idiopathic ileocolic intussusception determined by preoperative colonoscopy
吉川 雅輝
1,2
,
野末 睦
2
Masaki KIKKAWA
1,2
1秋田赤十字病院消化器科(外科)
2庄内余目病院外科
キーワード:
特発性腸重積
,
成人
,
大腸内視鏡
Keyword:
特発性腸重積
,
成人
,
大腸内視鏡
pp.111-114
発行日 2011年1月20日
Published Date 2011/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103398
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要旨
患者は72歳,女性.粘血便,腹痛,嘔吐を主訴に受診し,腹部X線写真でイレウスと診断されて入院となった.腹部CTで上行結腸内に嵌入する腸管像を認めたため腸重積と診断し,大腸内視鏡および注腸造影を行ったところ,先進部に病変を認めず,特発性腸重積と診断された.内視鏡所見で嵌入腸管の壊死を認めたため,回盲部切除術が施行された.成人腸重積は稀な疾患であり,特発性と2次性との鑑別診断は困難である.この鑑別には大腸内視鏡が有用であった.特発性腸重積と診断された報告例で整復のみがなされた症例では再発はなく,腸管壊死を認めなければ腸切除を回避できる可能性があり,術式の決定においても鑑別診断は重要である.
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