Japanese
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臨床報告
癌性心膜液貯留に対しシスプラチンの心膜腔投与が著効した再発乳癌の3例
Three cases of intrapericardial CDDP injection in malignant recurrent pericardial breast cancer effusion
藤 智和
1
,
大谷 彰一郎
2
,
伊藤 充矢
2
,
檜垣 健二
2
Tomokazu FUJI
1
1広島市立広島市民病院外科
2広島市立広島市民病院乳腺外科
キーワード:
再発乳癌
,
癌性心膜液貯留
,
Cisplatin心膜腔投与
Keyword:
再発乳癌
,
癌性心膜液貯留
,
Cisplatin心膜腔投与
pp.1451-1455
発行日 2010年10月20日
Published Date 2010/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103233
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要旨:再発乳癌の経過中に生じた癌性心膜液貯留に対し,シスプラチン(CDDP)の心膜腔投与を行い良好にコントロールし得た3症例を経験した.症例は42歳,58歳,59歳の再発乳癌患者で,外来通院中に心不全症状を認め心膜液貯留を指摘された.癌性心膜液貯留による心タンポナーデの診断で,全例エコーガイド下に心膜腔ドレナージを施行したところ,症状は速やかに改善した.再貯留防止目的にCDDPの心膜腔投与を行い,その後の経過において全例で心膜液の再貯留を認めなかった.3例とも他病巣への転移により心膜腔投与後4~18か月目に死亡した.乳癌の癌性心膜液再貯留予防に対して,CDDP心膜腔投与が安全かつ有効である可能性が示唆された.
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