Japanese
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特集 乳糜胸水・腹水を考える―その原因と対策
〔術後合併症としての乳糜胸水・腹水―対応に困ったこの症例〕
腹部大動脈リンパ節郭清術後の乳糜腹水
Chylous ascites after para-aortic lymphadenectomy in gynecologic surgery
木下 宏実
1
,
竹内 悟
1
Hiromi KINOSHITA
1
1高知医療センター婦人科
キーワード:
乳糜腹水
,
術後合併症
,
傍大動脈リンパ節郭清術
,
外科的再結紮術
Keyword:
乳糜腹水
,
術後合併症
,
傍大動脈リンパ節郭清術
,
外科的再結紮術
pp.1384-1388
発行日 2010年10月20日
Published Date 2010/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103216
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要旨:子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌など婦人科悪性腫瘍における傍大動脈リンパ節(腹部大動脈周囲リンパ節)転移について多くの検討がなされ,進行期などリスク因子のある症例では,傍大動脈リンパ節郭清が行われる頻度が増加している.手術症例の増加に伴い,術後合併症の一つである乳糜腹水の報告が増加している.郭清の範囲とリンパ管の解剖学的流れを考慮すると,乳糜槽や胸管の直接損傷ではなく,腸や腰リンパ本管からの逆流漏出ではないかと考えられている.今回われわれは,子宮頸癌症例で傍大動脈リンパ節郭清でもかなり下部領域のみ(b2群)の郭清術後であったにもかかわらず,典型的ではないが乳糜腹水をきたし,保存的治療すなわち絶食,中心静脈栄養管理,ソマトスタチンによる薬物療法に抵抗性で,外科的再結紮術を行い軽快した症例を経験したので報告する.
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