Japanese
English
臨床報告
腹腔鏡下胃切除術後乳び腹水の3例
Three cases of chylous ascites after laparoscopic radical gastrectomy
杉田 静紀
1
,
木下 敬弘
1
,
芝崎 秀儒
1
,
海藤 章郎
1
,
西田 俊朗
1
Shizuki SUGITA
1
1国立がん研究センター東病院胃外科
キーワード:
乳糜腹水
,
腹腔鏡下胃切除
,
胃癌
,
リンパ漏
Keyword:
乳糜腹水
,
腹腔鏡下胃切除
,
胃癌
,
リンパ漏
pp.1153-1157
発行日 2016年9月20日
Published Date 2016/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211304
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要旨
乳び腹水は胃癌術後の稀な合併症とされるが,発症すると治療に難渋することも多い.今回当院で施行した腹腔鏡下胃切除術625例のうち,術後乳び腹水を認めた症例3例(0.48%)の治療法を検討した.症例1:35歳,女性.術後4日目(4 POD)に発症したが,保存的に軽快し11 PODに退院した.症例2:64歳,男性.8 PODに退院したが,25 PODに腹部膨満で再診し乳び腹水と診断した.保存的治療で軽快せず71 PODにリンパ管結紮術を施行した.症例3:60歳,男性.1 PODに発症したが,保存的に改善し24 PODに退院した.手術ビデオの見直しにより,いずれも膵上縁のリンパ管シーリングが不十分な可能性が示唆された.乳び腹水は薬物を用いた内科的治療が基本であるが,改善しなければ手術を検討する必要もある.
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