書評
東口髙志(編)「《JJNスペシャル》「治る力」を引き出す 実践!臨床栄養」
平田 公一
1,2
1札幌医科大学 外科腫瘍学・消化器外科学
2日本静脈経腸栄養学会
pp.1192
発行日 2010年8月20日
Published Date 2010/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103170
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本書を読み終えてみると,さすが東口髙志編とうならされた.同氏の高邁な精神性と教育力の高さを反映し,気遣いの余白も実に適切,各ページの文字とともに説得力のある図や表の提示が,われわれを次のページを読みたいと掻き立てるのである.知識が感性的に身につきやすい教育図書となっている.おのおののページに向ける眼力に,いっそう力が知らず知らずのうちに加わってしまうという,そのような工夫が設定されている.また,見事に多くの共著者陣として素晴らしい専門家が並んでいる.
昨今,NST活動へ評価は高く,保険診療にも大きく反映されたことは周知のことである.その質を支えそしてチーム医療を向上させるにはもってこいの書であり,そしてTPOを得た発刊ともいえる.多くの医療従事者や教育担当者は日々の勤務の中で負担を背負いつつ,努力による前進が成されている.その努力の結果として,医療の原点ともいえる「ヒポクラテス医学」の心と信念を,日常臨床の場にその理念の導入とその普及へとつなげようとする各種医療職の考え方にさらに向上がみられる.そのような日本的努力の成されている今日,本書による具体的で良質な臨床栄養学の次世代も読んだ提案は,次への目標設定と励みを提供していると考える.ありがたいことである.
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