病院めぐり
聖マルチン病院外科
見市 昇
1
1聖マルチン病院外科
pp.693
発行日 2010年5月20日
Published Date 2010/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103062
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当院は瀬戸大橋の架橋によって四国・香川の玄関口となった坂出市にあるカトリック系の病院です.昭和24年に開院され,昨年で創立60周年を迎えました.太平洋戦争中に官憲に囚われ,終戦で放免された2人のスペイン人神父が当地の資産家に身を寄せたことがきっかけとなり,カトリック教会と病院が開設されました.今でも教会と修道院が病院に隣接しており,院内には礼拝堂があります.
開設当時の病院は聖ドミニコ宣教修道女会から派遣された女医を含む5名のシスターが中心となって運営されました.バチカンから日本を訪れていた修道女会総長から「1人の人でも救われれば病院を設立する意義があります」と派遣に際しての激励があり,その言葉が今でも病院の理念の根源を成しています.「聖母マリア」と,17世紀に南米ペルーで病める人と貧しい人に生涯を捧げた黒人修道士兼医師の聖者「聖マルチン」の保護を願い,開院日と病院名が決められました.その後,どのような政治的配慮があったのか,開院の翌年に高松宮殿下の御訪問を受けてから徐々に地域の人々に病院として受け入れられていったそうです.
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