臨床研修の現状―現場からの報告・9
聖マリア病院外科
谷脇 智
1
1聖マリア病院外科
pp.655-658
発行日 2006年5月20日
Published Date 2006/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100447
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1 はじめに
2004年度から始まった新たな研修制度改革は,研修医に対するマスメディアを中心とした批判,改革の目的として医療の質の向上を求めるといった社会の厳しい目を背景にスタートした.さらに,高齢化社会を迎えるにあたって,現在のような専門医過剰状態から,今後は全人的医療の需要が高まっていくものと考えられたことも背景にある.
これらの批判や改革は,現行の医療教育システムでは将来に不安があると社会から判断されたことにほかならず,われわれはこれを真摯に受け止めなければならない.
今回の研修制度に対する当院の基本理念は,後輩を育てていくのは先輩医師として当然のことと捉え,やらねばならないという使命感で対応すべきと考えており,今回の報告が単なる制度への批判ではなく,形成的評価につながればと考えている.
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