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全国学会ではいまだに「栗林」を「りつりん」とは呼んでいただけませんが,当院は昭和25年に香川県高松市に設立された公的な社会保険病院グループの1つで,今年で60周年を迎えます.香川県はご存知のように讃岐うどんで近年特に有名となり,ETC割引効果もあって週末には多くのうどん店が県外客で満ちあふれ,1~2時間待ちも珍しくないほどの盛況ぶりです.高松市は人口約42万人と県下最大の都市で,そのなかで特に多くのマンションや学校が密集する文教地区に当院はあります.すぐ近くにはミシュラン観光版の3ツ星に認定された名園栗林公園もあり,病院として大変恵まれた環境に位置していますが,周辺数km以内に県立中央病院や赤十字病院,市民病院などの大病院がひしめき合っています.病床数は271床で,29床の回復期リハ病棟以外はすべて急性期病床です.内科,呼吸器科,小児科,放射線科,皮膚科,婦人科,泌尿器科,眼科,脳神経外科,整形外科,外科,麻酔科,歯科および健康管理センターの14常勤診療科で診療を行っています.
外科は筆者を含め6名の外科医(うち1名は健管センター長専任)で,年間350~370例の一般・消化器外科の予定手術を1日1~2例のペースでほぼ毎日行っています.当院の外科の特徴は,消化器外科手術症例の約4割が肝胆膵外科疾患であり,そのため日本外科学会,日本消化器外科学会の専門医修練施設に加えて日本肝胆膵外科学会の高度技能医修練施設(県下3施設)にも認定されていることと,最新の外来・入院癌化学療法をより早く積極的に導入し,外科を中心とした化学療法チームによって進行大腸癌症例にMSTの県下でも有数のめざましい向上を得ていることなどが挙げられます.
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