ひとやすみ・49
おくりびと
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.1078
発行日 2009年8月20日
Published Date 2009/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102656
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- 文献概要
納棺師は「おくりびと」と称され,死に旅立つ人の最後の装いを生業としている.死人に接する仕事柄,忌み嫌われ,一方,社会的に必要ではあるが,あまり表には出ない職業である.しかし,「おくりびと」が2009年の第81回アカデミー賞を受賞すると大いなる反響を呼び,納棺師の仕事が広く理解されるようになった.この忌み嫌われてきた仕事を昔から黙々とこなして来た職業がある.
病院では日々生命が誕生するとともに,不幸にして死を迎える患者さんも存在する.主治医から患者さんに死亡宣告が下されると,看護師は心電図や酸素飽和度などのモニターの電源を切る.また,留置された点滴を止め,家族だけで最後の別れが行えるように病室を離れる.しばし家族だけでの別れの時間を設けたのち病室を訪れ,故人の体の清拭を行うことを家族に告げる.
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