Japanese
English
特集 消化器癌外科治療のrandomized controlled trial
大腸癌外科治療におけるrandomized controlled trial
Randomized controlled trial of surgical treatment for colorectal cancer
松田 圭二
1
,
渡邉 聡明
1
Keiji MATSUDA
1
1帝京大学医学部外科
キーワード:
RCT
,
大腸癌
,
外科治療
,
器械吻合
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
RCT
,
大腸癌
,
外科治療
,
器械吻合
,
腹腔鏡下手術
pp.765-769
発行日 2009年6月20日
Published Date 2009/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102586
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要旨:大腸の手術法に関連するrandomized controlled trial(以下,RCT)の結果と評価について,①no-touch isolation technique(以下,NTIT),②器械吻合,③腹腔鏡下手術の3つに分けて概説する.①NTITは,日本の外科医の間では常識的な手技と考えられているが,外国のRCTではNTITのbenefitは限られたものであった.②器械吻合に関しては,初期の報告ではトラブルが多くみられたものの,器械の改善が進み,経験数も増加し,術中トラブルや術後合併症のリスクは低下した.③腹腔鏡下手術に関しては,短期成績として手術時間は長いが出血量が少なく,術後の痛みや合併症が少ないとされた.さらに再発率,死亡率などの長期成績は,腹腔鏡下手術と開腹手術で差はみられなかったとする報告が多い.RCTに優る評価法はないが,外科のRCTを試みる場合,外科手術が外科医個人の技術に大きく左右されるといった,手術に特有な問題点を考えておく必要がある.
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