Japanese
English
特集 直腸癌治療―最近の進歩と動向
進行下部直腸癌を対象とした化学放射線療法の照射方法
Methods of radiation therapy in patients with advanced lower rectal cancer treated with chemoradiotherapy
室伏 景子
1
,
小口 正彦
1
,
大矢 雅敏
2
,
橋井 晴子
3,4
,
水本 斉志
3,4
,
中山 秀次
3,4
,
菅原 信二
3,4
,
奥村 敏之
3,4
,
坪井 康治
3,4
,
櫻井 英幸
3,4
Keiko MUROFUSHI
1
1癌研有明病院放射線治療科
2癌研有明病院消化器外科
3筑波大学大学院人間総合科学科放射線腫瘍学
4筑波大学陽子線医学利用研究センター
キーワード:
下部進行直腸癌
,
術前化学放射線療法
,
骨盤照射
Keyword:
下部進行直腸癌
,
術前化学放射線療法
,
骨盤照射
pp.303-309
発行日 2009年3月20日
Published Date 2009/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102492
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要旨:進行下部直腸癌に対する放射線療法は術前または術後に行われるが,最近では化学療法を併用した術前化学放射線療法が主体となっている.この治療法の目的は第一に局所再発の抑制である.Quality of life(QOL)の向上すなわち肛門温存率の向上の可否については明らかな結論は乏しく,今後の臨床試験の結果が待たれる.臨床試験の多くは原発巣,領域リンパ節および直腸傍組織や仙骨前など,局所再発の高率な領域を照射野としている.最も簡便な前後対向2門法での照射は有害事象が増加するため,現在では3または4門照射法が推奨される.消化管への有害事象を低減するため,リスクに応じて照射野の上縁を制限することや,腹臥位での照射法,または強度変調照射(intensity modulated radiation therapy:IMRT)の導入などが期待される.
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