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はじめに
自治医科大学さいたま医療センター外科では,4年前から術前症例カンファランスにおいてレジデントによる英語でのプレセンテーションを導入しており,2007年4月からは筆者の1人であるAlan Leforの指導のもと,毎週月曜日の朝に英語でのプレゼンテーションを行っている.最近は国際学会において英語で発表し,英語で討論をする機会が増えており,このようなトレーニングは将来役に立つことと思われる.
英語によるプレゼンテーションのキーポイントは,プレゼンテーションの標準的スタイルを熟知することと,英語に自信がなくとも十分に準備をして自分の英語力に応じた表現を用いることである.もちろん,英語力を向上させるための努力も必要である.また,プレゼンテーションの内容は,英語であれ日本語であれ患者の治療方針を決定するうえで重要であるので,レジデントは上級医の指導のもとに綿密に準備することが必要である.症例呈示は十分な病歴聴取と理学的所見,検査所見の検討に基づいて行われなければならない.特に病歴聴取と理学的所見は診断や治療上重要であり,これらの所見によって多くの疾患は診断され得るとも考えられる.実際のカンファランスにおいては,プレゼンテーションに必要とされる事項を簡潔にまとめ,さらには質問に答えられるように準備しなければならない.プレゼンテーションの内容によって,レジデントがいかに的確に患者の病態を理解しているかを評価できる.
本連載では,第1回で基本的なプレゼンテーションの方法を述べ,第2回では誤って使われる傾向がある英語の字句や言い回しについて解説し,第3回において英語のプレゼンテーションを導入して成功させるためのノウハウについて述べる.
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