Japanese
English
臨床報告
リンパ節転移を認めた低分化型S状結腸粘膜内癌の1症例
A case report of poorly differentiated mucosally invasive sigmoid colon cancer with lymph node metastasis
久保 秀文
1
,
北原 正博
1
,
兼清 信介
1
,
多田 耕輔
1
,
長谷川 博康
1
,
山下 吉美
2
,
重光 俊範
3
Hidefumi KUBO
1
1社会保険徳山中央病院外科
2社会保険徳山中央病院病理
3徳山病院内科
キーワード:
大腸粘膜内癌
,
低分化型腺癌
,
リンパ節転移
Keyword:
大腸粘膜内癌
,
低分化型腺癌
,
リンパ節転移
pp.1143-1146
発行日 2008年8月20日
Published Date 2008/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102240
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はじめに
近年の大腸癌に対する診断技術の進歩に伴い,早期癌が発見される機会が増加してきた.現在のところ粘膜内癌(以下,m癌)に関しては文献上転移の報告はなく,その治療はポリペクトミーないし局所切除で十分とされている.粘膜下浸潤癌(以下,sm癌)では約10%の頻度でリンパ節転移があるとされており1~3),その治療方針に関しては未だ議論の多いところである.
今回,われわれは深達度が粘膜筋板内浸潤癌(以下,mm癌)でありながら壁在リンパ節転移を認めた症例を経験した.第7版2006年3月の大腸癌取扱い規約4)によれば,広義にはmm癌はm癌に含まれ,大腸mm癌自体を論じた文献は少なく,医学中央雑誌にて「大腸粘膜筋板内浸潤癌」と「リンパ節転移」をキーワードとして検索したところ報告例はみられなかった.今日,大腸m癌でのリンパ節転移はきわめて稀であると考えられる.文献的考察を加えて報告する.
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