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今月の主題 転移陽性胃粘膜内癌の特徴と取り扱い
序説
転移陽性胃粘膜内癌の特徴
Introduction
西元寺 克禮
1
,
樋口 勝彦
Katsunori Saigenji
1
1北里大学東病院消化器内科学
キーワード:
粘膜内早期胃癌
,
ESD
,
リンパ節転移
Keyword:
粘膜内早期胃癌
,
ESD
,
リンパ節転移
pp.1115-1117
発行日 2006年7月25日
Published Date 2006/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100621
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本誌本年1月号(41巻1号)で「早期胃癌に対するESDの適応の現状と今後の展望」と題する主題が取り上げられ,その序説を書かせていただいた.この号ではESD(endoscopic submucosal dissection)の技術的問題と適応が大きな問題であることが指摘され,癌病巣の浸潤範囲,深達度の正確な診断が重要なことが改めて痛感された.ESDの適応を考える際,局所の癌の拡がりを正確にとらえるとともに遠隔転移,なかでもリンパ節転移の有無を術前に診断できるかが重要な課題となる.今回の主題「転移陽性胃粘膜内癌の特徴と取り扱い」は,この問題を別の角度から考えるもので,転移陽性癌の特徴を挙げ,診断の糸口を見い出そうとする試みである.肝,肺や骨,脳,卵巣などの転移巣から原発巣の早期胃癌が見つかることもあるが,最大の問題はリンパ節転移であろう.本主題には“取り扱い”が含まれているが,転移陽性であれば内視鏡医の手を離れ,外科医の判断にまかせられるべきである(化学療法の問題はあるが)ため,序説の表題は「転移陽性胃粘膜内癌の特徴」とさせていただいた.
後藤田論文
ESD適応拡大への道を開いたのはGotodaらが報告した早期胃癌のリンパ節転移についてのretrospective studyである1).国立がんセンターならびに癌研究会附属病院,わが国を代表する2つの病院で切除された5,265例の早期胃癌患者のリンパ節転移と転移陽性例の特徴を調べたものである.
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