元外科医,スーダン奮闘記・19
医療工学技師
川原 尚行
1
Naoyuki KAWAHARA
1
1NPO法人ロシナンテス
pp.1581-1583
発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101945
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医療工学技師のスーダン招聘
日本から2名の医療工学技師さんがスーダンに来られた.この事業は,私が大使館勤務時代から構想していたことである.日本は多くの医療機器をスーダンなどの発展途上国に寄贈しているが,そのフォローアップは十分でないとの認識があった.特にスーダンは内戦のため長い間日本からのODAが停止しており,このようなフォローアップがまったくなされていなかった状況だったからである.さらに,私には大使館勤務を終えたのち,NGOの活動として中古の医療機器をスーダンに送った経験がある.医療機器は送るだけではだめで,その使用方法や管理方法をきっちりと教えねばならない.
その思いから,私は日本に帰った際に,医療工学技師さんにスーダンに来てもらいたいと適当な人物を探していた.ある先生から名古屋にある東海医療科学専門学校の廣浦先生を紹介され,名古屋までご挨拶とスーダン渡航のお願いをしに行ったのである.先生は1986年のチェルノブイリの原発事故ののち,医療支援でロシアに行った経験があり,ぜひともアフリカにも行って医療支援を行いたいとの思いがおありであった.そこで,今回のスーダンでの技術支援となった運びである.先生は今年になってご自身が代表を務めるNPO日本医療機器技術支援協会を設立され,スーダン渡航がその第一の活動となったのである.さらに先生は透析の専門家を連れてこられた.
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