特集 癌診療に役立つ最新データ2007-2008
Ⅵ.胃癌
胃癌の診断に関する最新のデータ
下山 省二
1,2
,
上西 紀夫
2
Shoji SIMOYAMA
1,2
1セツルメント診療所外科・消化器科
2東京大学大学院医学系研究科消化管外科
pp.177-188
発行日 2007年10月22日
Published Date 2007/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101900
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要旨:2002年の本特集において,胃癌の診断・治療に関しては早期発見・早期治療の傾向があることを示したが,その後,診断面では胃癌発生のハイリスクグループの絞り込みを行い,より費用対効果を上げようとする試みと,新たな診断法の開発の知見が集積しつつある.本稿では胃癌の臨床病理学的特徴を示した文献をアップデートした.胃癌の治療成績の向上には早期胃癌の段階での診断が必要であるが,早期胃癌の治療法の選択・決定に重要な情報を提供する潰瘍(瘢痕)の存在が早期胃癌の約半数以上にみられることを念頭におきつつ診断すべきである.一方,噴門部胃癌の頻度が今後増加することが予想され,死角になりやすいこの領域を注意深く観察し診断するように努めるべきである.
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